●歴史 〜創業者 〜木下剛夫とは

山下 基向山 徹岡本公子石川哲也再会今考えている事
木下剛夫について
鰍モじくま時代の先輩
山下 基
  本人から突然「僕のことを客観的に見て、それを文章にして下さい」と頼まれ、私は非常に困惑した。 キノちゃんのことを改めて思いおこしてみたがなかなか思い浮かばないのである。

  ただ、私の印象に残っているのはやたらと糞の話しに弱いということだ。 とんでもないほど臭そうなウンチの話を彼にすると、もうそれだけでおそらく気絶するだろう。
実際普通の糞(クソに普通も異常もないのだがこの場合子供のとか犬のとか)の話をちょっとしただけで「オエッオエッ」とやっている具合だ。
なんと繊細できめ細やかな人間なのかと推測される。

  彼を抹殺しようと思えば、食事中(しかもカレーライスの時がいいだろう) 「いやあ、昨日はまいっちゃったよ。とびきり上等のホカホカ湯気の立った人糞を思いっきりふんじゃったよ。 しかもすべってこけたんだけどちょうどその糞の上に顔から突っ込んじゃったよ。もうべっちょりクソまみれ。」 と話しかけさえすればよいのだ。 その途端、ゲロを吐きまくりそのゲロが呼吸器官を逆流し、肺その他の臓器を麻痺させてのたうちまわり、 悶絶、呼吸困難、血管異常肥大、後頭部強打、頭ガイ骨骨折、などなどの症状にみまわれいとも簡単に絶命してしまうだろう。
  彼は異常なほどの”糞話拒否反応症候群”なのだ。裏をかえせば人一倍感受性が強く、想像力が豊かな証拠でもある。 長年の私の経験からいうと新商品の開発にはもってこいの性格である。

  だが、私は彼に関して一つの疑問を抱えて数年間すごしてきた。 それは彼自身一日のうち何度かクソをしているが、自分のそれをながめた時は一体どうなんだろうという疑問である。 実に素朴な疑問である。ひょっとして自分のものを見た時、(出した時も)便所の中でオエッオエッとやっているのではないか。 たいていの人は”かわいい”とか”いとおしい”とか流すのがもったいないとか、いくらかの愛着心ってものがある。
 しかし、彼は自分の糞を放出すると死ぬかもしれないというある種のハンディみたいなものを背おって34年間生きていたのだ。 だとすれば彼は自分の糞を憎んで育ってきたに違いないのである。
  決死の覚悟で便所に入り「オエッオエッ」と叫びながら胃袋からこみあげてくるものを必死にこらえながら毎日用を足しているのだ。 なんという強じんな精神力の持ち主なんだろうと同時に私は彼の34年間の闘いの日々のことを思うと目頭が熱くなってくるのを感じた。 34年間の間不意におとずれる汲み取り式の便所の使用機会は極力拒否してきたのであろうか?
  汲み取り便所といえば、私は新婚旅行先のグアムで壮絶なやつに出くわした。 当時私は旅先でよくある腹痛になやまされたびたび便所にかけこんだが運良くすべて水洗だった。 しかしその日はオプショナルツアー「横井さんの洞窟探検」だった。 おみやげ売場で物色している最中、突然の便意を催しジャングルの中にある簡易トイレの様な便所に飛びこんだ。
  ズボンのベルトをゆるめながら足を置く所を見て私は愕然とした。 プラスチックのタンクの上に木で足場をはってあるだけのものなんだがまるでわざと足置場所をねらって糞をひっているのではと思うぐらい穴のまわりに色とりどりの物体が大小とわず鎮座しているのである。 しかもタンクは満たん状態で穴からエベレストのごとく天に高くもりあがっていた。 なんとかあまった狭い土地をみつけて足をひきつらせながら用を足したが、あれほどのものは今まで拝見したことがない。

  まあこんな話はどうでもいいのだが...汲み取り便所のかもし出す臭いや雰囲気なども彼はおそらく34年敵と見なして拒否し 「絶対、汲み取りではしないぞ!」と走りまわって水洗をさがし続けたにちがいない。 その意志の強さは34年間の筋金入りだ。 要するに彼は汲み取り式便所は徹底的に拒否し水洗便所の使用時だけなんとか堪え忍んできたのであろうと推測されるが、 ちょっとまてよ...あっそうか、そうだったのか。フフフだんだんと彼の謎が解けてきたぞ。
  おそらく彼は常に水洗便所の水を流しながら用を足していたのかもしれん。 そうだとすれば臭いやそのものの形を感ずることもなく大便が出来る。 世の女性達がやっているように彼は水を流しながら用足しをしているのだ。 女の人達はただ消音効果の為に流しているのだが、キノちゃんは臭いの半減といやおうなしに視界に飛び込んでくる糞を見る前に全てを流し続けているにちがいない。
  以前、彼のアパートを訪ねた時、ドンブリにわかめが山盛りになって置いてあった。 彼はそれに酢をたらふくふりかけてモシャモシャとそれだけ食っていた。 おそらくその食物が自分の消化物の消臭効果につながっているのだろう。
  この私の推測が正しければ、彼は完全に”オエオエ症候群”を克服している。 素晴らしい!なんて計算された人生なんだ。私は心から感動してやまないのである。

  彼は結婚して子供が産まれ奥さんに「ちょっとおしめをかえとってや。ちょっと今手がはなせんのよ」と言われた時大きなカベにぶちあたったにちがいない。 しかし彼のその34年間培われてきた精神力で必ずそのわざわいも見事に克服したにちがいない。
  ただ以前、高速道路のパーキングの便所に一緒に入った時彼は大便をしながらかん高い声で「マモー」と叫んだ。 何かのおまじないなのかと私は思ったが...今だに謎である。

  今回は木下剛夫のその強じんな精神力を語ってきたが、やはり素晴らしいの一言だった。 だが私としては彼のオエオエが克服されたことが少し寂しい気がする。 やはりキノちゃんは60才70才になってもオエッオエッとやってもらいたいものである。
  次回は木下剛夫の洞察力みたいな物を語ってみたい。 これは以前彼のアパートを訪れた時玄関に乱雑に脱ぎ散らかしてあった十数足のジョギングシューズをいかに上手くローテーションさせてすいいような臭いのしないのを履くか!? 先を読む力、洞察力などの彼のかくれた才能などを少し話してみたいと思っておるしだいです。
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